性交中に空気が抜けるような音(膣からの空気音)がして恥ずかしかったという話を、慎重に切り出す方が多くいらっしゃいます。寝室だけで起こるわけではありません。ヨガやピラティスのように姿勢が大きく変わる運動をする時、水泳をする時にも起こります。まずお伝えしたいのは、これはおならではないということです。
出産後、なぜこのような感覚になるのか
出産後、体が完全に変わってしまったと感じる方が多くいらっしゃいます。程度の差はあれど、ほとんどの方がそう感じます。原因は、膀胱と子宮を下から支えていた骨盤底筋が変わってしまったためです。骨盤底筋はハンモックのように臓器を支える筋肉ですが、妊娠中に重くなった子宮を長く支えていると、下に伸びてしまいます。分娩後、軽くなっても以前の弾力に戻らない部分が残ります。
経膣分娩の場合、赤ちゃんの頭と肩が骨盤と膣を通過します。再び縮小しますが、完全に同じになるのは難しいです。帝王切開は少し少ないかもしれませんが、妊娠期間中に受けた重さは同じであるため、ある程度の弛緩は生じます。
日常生活で確認できるサイン
- 寝室で実際に音がする
- プールで空気が抜けたり、水が入ってくるような感覚がある
- 咳をしたり笑ったりすると、尿が少し漏れる
- 性交時に緩い感じがして、性感度が低下する
- 下腹部が重い
ただし、重い感じは膣の弛緩以外に、筋腫や腺筋症があっても生じます。そのため、ご来院いただくと、超音波で実際に問題があるのか、本当に弛緩だけなのかを確認します。
このような症状で来院されると、無条件に手術を勧められるのではないかと心配される方もいらっしゃいますが、そうではありません。いつから症状が出始めたのか、いつ出産したのか、どのような状況でどのくらいの頻度で症状が出るのかがまず重要です。
診察室で診るもの
超音波と膣鏡検査で、膣と子宮に他の問題がないかを確認します。尿失禁かどうかを判断するために尿検査も行います。内診しながら、どの程度の力を入れられるか、力を入れる方向が正しいかを確認し、ケーゲル運動の方法を直接指導します。磁場を利用して骨盤運動を助ける機器も併用します。
治療の順序はどのようなものか
膣の弛緩と診断された場合、教科書的な最初の治療はケーゲル運動です。筋肉が作られるには時間がかかるため、少しずつでも毎日行うことが重要です。皿洗いのように、どうせ立って行う家事と結びつけておけば忘れません。より早い変化を望む場合は、膣レーザーや膣内に挿入するコラーゲン施術が役立つことがあります。
手術は三つに分けられます。尿失禁で日常生活が不便な場合は尿失禁手術、膣の弛緩がひどい場合は膣形成手術、子宮が下がった子宮下垂まである場合は子宮を挙上する手術または子宮を摘出する手術を行うことになります。
出産後の体の変化によって、自己肯定感が低下したり、悲しんだりしないでいただきたいです。一つの命を宿し、世に送り出した体は、それ自体が尊いものです。健診のつもりで気軽にお越しいただき、お話しいただければと思います。
